手持ち撮影用フォローフォーカス (1):構想編

フォローフォーカスという撮影器具をご存知でしょうか? 主に動画撮影のための物で,元々は映画(ドラマ)を撮影するカメラレンズに取り付けてピント合わせを容易にするためのものでした.この場合のピント合わせというのは,必ずしもファインダーを見ながらフォーカスリングを回しているわけではなく,また,必ずしもファインダーを覗いているカメラマン本人が合わせるわけでもありません.つまり,シナリオに従って,決められたタイミングで決められた距離にピントを順次合わせて行く作業を容易にするための器具が本来のフォローフォーカスで,形状もそれに適したものになっていました.しかし,最近はもっと広い意味で使われていて,カメラレンズのフォーカスリングに外付けしてマニュアルフォーカス(MF)を容易にする器具全般を指すようですから,ここでもそのような意味で使うことにします.

さて,MF飛翔撮影大好きの私が昨今頭を痛めている問題は,新発売されるAFレンズのほとんどがいかにもマニュアルフォーカスし難そうなものになってしまったことです.スペック的に折角興味が湧いても,製品画像を見てがっかりすることが何と多いことか.大口径超望遠レンズ以外は全滅と言ってもいいかもしれません.MF専用のシネマレンズには流石にいい物が多そうですが,如何せん価格が飛び抜けていて望遠レンズは数百万です.メーカーにも色々言い分はあるのでしょうね.AF性能を上げるためにはMF操作性には目をつぶる必要があるとか,AFレンズのMF操作性を問題にする人が少ないのでコストを抑えるためにとか,...ま,そうは言っても,このままの状態が続くのは寂しいです.しかし,写真用品メーカーがMF操作性を劇的に改善するアクセサリーを開発しているとも思えません.また,動画撮影用品メーカーが作るフォローフォーカスはほとんど画一的で,古くからあるスタイルを継承しながら僅かに改良している程度です.モーターで駆動するワイヤレスフォローフォーカスには将来性を感じますが,評判が高いメーカーの製品は数十万という価格が当たり前な一方で,比較的リーズナブルな価格帯の製品の評判はどうも今ひとつのようで,まだまだ気楽にチャレンジ出来る状況ではなさそうです.待っていても自分が必要としているものは早々には登場しそうにありませんから,この辺で重い腰を持ち上げざるを得なくなってしまいました.

前置きが長くなりましたが,やりたいことは,メーカーがMF操作性を犠牲にしている望遠(ズーム)レンズで快適にMF撮影するためにあると便利なフォローフォーカスの製作です.ここで言う快適さとは,手持ちMF飛翔撮影に全く支障を感じないレベルのことで,MF撮影しやすいと感じている他のレンズと同等の快適さです.あくまで目標ですが,試作の段階である程度達成出来そうなことが分かりました.ただし,レンズのフォーカスリング自体が元々仕様上の遊びが大きくガタガタしているような物は想定外です.また,MF操作性はレンズだけの問題ではなく,撮影者のレンズの扱い方にもよります.大口径超望遠レンズは概してMF操作性が良いですが,フォーカスリングの径が大きいことや位置が遠いことが支障になって操作し難いと感じている人もいらっしゃるでしょう.そのような場合でもこのフォローフォーカスで操作性がある程度改善出来るかもしれません.

MF操作性が悪いレンズの典型的なパターンは,フォーカスリングの回転角が小さ過ぎて精度よくピントを合わせられない,フォーカスリングの位置がマウント側に寄り過ぎているため安定した姿勢でレンズを持つと指がフォーカスリングに届き難い,というものだと思います.単焦点レンズでは大抵前者だけでしょうが,ズームレンズだと両方該当する場合が多いですね.フォローフォーカスの機能は,操作するノブ(又はリング)の回転角の調整と操作位置の移動ですから,いずれの問題も解決出来ます.冒頭に記述した歴史的な経緯のためか,市販品のフォローフォーカスの操作部はノブの形をしたものばかりで,リング状のものは見たことがありませんが,レンズの形状(及び使用法)が許せば実用的なものが作れます.

ピント合わせの操作部の形状は,ノブとリング,どちらが扱いやすいかというのは,フィールドスコープ選びでも良く問題になりますね.ノブとリング,どちらでも円筒状の側面しか触れない場合は大差ありませんが,ノブの方が径が小さいので回転角を大きく取りやすいです.ノブの径がある程度大きい場合は,回転軸に垂直な上面を触れて操作することも出来るので,ジョグダイヤルのように持ち替えなしに360度以上にくるくる連続的に回すことも出来ます.リングでも指を交互に操作することで連続的な回転も決して不可能ではありませんが,操作の難易度は非常に高いです.しかし,結局のところ,どちらでも作れる場合は,最終的には好みの問題なのでしょうね.

次の製作編でノブ型とリング型の自作フォローフォーカスを紹介します.部品入手に時間がかかるものがあるので,完成にはあと少し時間がかかります.年末年始の実践編に間に合わせるのが当面の目標です.

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